東武鉄道では、パスネットが普及するまで硬券の普通乗車券が発券され、硬券特急券が2015年頃まで残存し、また入場券は現在でも発券できます。(※下今市・東武日光・鬼怒川温泉:SL運転開始より。以前から残っていた北千住は現在発券終了)
今回はそのうち普通乗車券の様式についてざっくり紹介していこうかと思います。
1957年ごろからの様式
このころに一般式から両矢印式が分立し、また略式であったとみられる片矢印式が正式採用となっています。全体的に旧字体から新字体への変更もこのころですが、一部文字は旧字体が長らく使用されていました。
一般式
発駅と着駅が書いてあるもので、別名「からゆき式」です。経由地表記はある場合とない場合があり、ある場合は複数経路ある際に使用されています。(この場合は越生経由と区別)
片矢印式
発駅と着駅が一本の矢印で示されたものです。なんとなく東武ではよく見ますが、他社ではあまり見ないような気がします。(矢印が両方についている双発式が多い気が…)
2方面になる場合は2段表記になり、発駅がタテ表記になりました。
両矢印式
着駅が両側に書かれているもので、発駅が四角で囲われているものが一般的ですが、東武鉄道では括弧で括られていました。
地図式
券面に地図が描かれている様式です。詳細は過去記事参照のこと。
暫定金額式
運賃変更時、きっぷの改定が間に合わない際に暫定的に使用されました。着駅が表示されていないため、運賃さえ合っていれば使えるのが運用上の利点かなと。
1969年ごろからの様式
恐らく合理化のため、様式が一般式・金額式の2種類に整理されました。金額式はこの時期に正式採用となりました。
一般式
少々記載内容が変化しました。一般式は徐々に遠距離のみで使用されるようになりましたが、最終期まで残りました。
金額式
正式採用に当たり、券面は大幅に変わりました。注意書きは裏面に移り、表面は発駅と金額が大きく表記されました。
臨時券売所では、入鋏省略印が入り、券面が全体的に上に上がりました。このため、東武鉄道表記が省略されています。
硬券時代末期になると、さらなる合理化で、小児券と兼用になりました。このため小児断線と小児運賃が追加されました。