東武8000系は1963年から1983年にかけて712両増備された形式で、1986年から2007年にかけて696両が修繕を受けました。また、2005年より車両単位で、2008年から編成単位で廃車が始まり、2023年現在は野田線・亀戸線・大師線・伊勢崎線末端・桐生線・佐野線・小泉線・東上本線末端・越生線で活躍するのみになりました。…と書いていて思ったのは、割と残っているということ。特に亀戸線・大師線・伊勢崎線末端・東上本線末端・越生線は8000系の天下でして…
その8000系ですが、最初の1963年度に一挙60両増備されたのが特筆されます。内訳としては4両編成15本で、8101F~8115Fが該当します。今回の記事ではその15編成を列挙するとともに、簡単な車歴を示したいかと思います。なお、8108F・8114Fは写真が撮影できませんでしたのでご了承を。
※2023.11.11 8111Fに関してまさかの事態の為加筆。
※廃車は回送日を記入。除籍日は回送後約8か月以内。
8101F
新製:1963.11.15 西新井 ナニワ工機
6両化:1971.12.-7 アルナ工機
冷房化:1973.12.18 アルナ工機
修繕:1988.7.-1
廃車:2013.9.24 七光台
トップナンバーですが、一番最初に作られたわけではありません。1989年3月に野田線に転属し、当初はそれこそ「虎の子」的扱いを受けていたそうです。2013年の60000系デビューイベントの際にスカートを明灰色に塗り替えたのが特徴的です。2013年に廃車になり、一部部品が東武博物館で展示されています。
2007.12.16 新船橋
2011.8.24 清水公園
2013.9.20 柏 (最終運用)
8102F
新製:1963.11.30 西新井 ナニワ工機
6両化:1971.12.-7 アルナ工機
冷房化:1974.4.-8 アルナ工機
修繕:1987.11.28
廃車:2010.12.13 七光台
末期は錆がひどかった編成です。前面の車番の位置に特徴がありました。
車番の位置に関してはこちら参照。
2007.4.23 春日部
2010.12.11 春日部
8103F
新製:1963.12.20 西新井 ナニワ工機
6両化:1972.1.11 アルナ工機
冷房化:1974.8.24 アルナ工機
修繕:1987.8.24
廃車:2009.12.15 七光台
パルシステムの車体広告・コープデリの車体広告の編成でした。廃車の際に代替の編成は来ませんでした。
2007.2.24 清水公園
2009.9.30 春日部
8104F
新製:1963.12.20 西新井 汽車会社
6両化:1972.1.11 アルナ工機
冷房化:1974.11.16 アルナ工機
修繕:1986.6.25
廃車:2009.3.-9 七光台
修繕工事のトップを切った編成です。当然原型顔で、野田線転属後はある意味野田線のヌシでした。正面サボは野田線転属後2003年に40周年ヘッドマークを貼る際に撤去されてしまいました。
2006.7.24 春日部
2008.4.19 東岩槻
8105F
新製:1963.12.20 西新井 汽車会社
6両化:1972.1.11 アルナ工機
冷房化:1974.3.11 アルナ工機
修繕:1988.3.31
廃車:2010.11.-1 七光台
8104Fとともに数少ない汽車会社製造の8000系です。
2008.7.20 七里
2010.6.26 野田市
8106F
新製:1963.10.-7 川越 日本車輌
6両化:1972.1.11 アルナ工機
冷房化:1974.10.15 アルナ工機
修繕:
廃車:2014.3.-3 七光台
最初に竣工した8000系です。つまり8000系の中で最古参と言える編成です。2014年3月に廃車になり、この時残存数と廃車数が逆転しました。
最古参編成の変遷はこちら。
2008.1.20 南桜井~川間
2011.7.21 南桜井
2013.5.-3 春日部
8107F
新製:1963.11.15 川越 日本車輌
6両化:1972.1.11 アルナ工機
冷房化:1979.11.12 津覇車輌
修繕:1987.7.10
廃車:2010.7.-5 七光台
修繕工事、この編成から6050型に準じた現行の8000系スタイルの正面に更新されるようになりました。2010年に踏切事故で破損、7月に廃車回送されました。
2007.5.-5 八木崎
2010.3.12 藤の牛島~南桜井
2010.7.-5 七光台支所(敷地外より)
8108F
新製:1963.11.15 川越 日本車輌
6両化:1972.1.11 富士重工
冷房化:1976.4.15 津覇車輌
修繕:1986.8.26
廃車:2008.3.17 森林公園
元祖リバイバルカラー。2005年の寄居行き特急廃止の最後を飾った編成でもあります。東上線の8000系としては最初に当たる2008年3月に廃車回送されていきました。
8109F
新製:1963.11.30 川越 日本車輌
6両化:1972.1.11 富士重工
冷房化:1976.12.-6 津覇車輌
修繕:1988.12.-6
廃車:2013.10.11 七光台
8101Fの次に野田線にやってきた8000系です。1991年時点ではこの2編成のみでした。転属もそうですが、廃車も大体似たような時期に行われました。
2008.1.20 南桜井~川間
2013.9.24 春日部
8110F
新製:1963.11.30 川越 日本車輌
6両化:1972.1.11 富士重工
冷房化:1973.11.-6 アルナ工機
修繕:1988.2.-4
廃車:2015.2.-5 七光台
初期に製造された8000系の中では遅くまで残っていた編成です。末期はアーバンパークラインのロゴを纏い、2015年まで走り抜きました。
2010.3.-3 豊春
2014.8.24 春日部
2015.2.-5 春日部 (廃車回送)
8111F
新製:1963.11.30 川越 日本車輌
6両化:1972.1.11 富士重工
冷房化:1977.7.-9 津覇車輌
修繕:1986.12.-3
最終運用:2011.6.30 森林公園 2023.11.-1 野田線でまさかの復活しました。
現在は東武博物館に籍を置く8000系です。最後まで残った原型顔の編成で、引退時にヘッドマークを付けて話題になりました。その後東上線から別れ、現在は本線系統の臨時列車にたまに使用されています…もっと使ってあげて。
2007.8.-8 志木
2011.6.29 上板橋
2011.6.30 川越 (営業運転最終日) (東上本線での営業運転最終日)
2012.9.-2 北大宮~大宮公園
2019.12.-1 南栗橋車両管区(ファンフェスタ時)
※2023.11.11加筆
2023年、8111Fは検査に入りましたが、クハ8111に女性専用車ステッカーが貼られていました。いろいろ憶測が流れましたが、10月28日、なんと野田線(七光台)に転属しました。そして11月1日、なんと運用復帰を果たしました。代わりに8150Fが運用離脱し、11月7日の団体臨時列車をもって廃車になりました。はい、書いている本人も何を書いているのかさっぱり分かりません…
2023.11.-1 岩槻 (運用復帰初日)
8112F
新製:1963.10.30 川越 ナニワ工機
6両化:1972.1.11 富士重工
冷房化:1974.6.27 アルナ工機
修繕:1987.2.-2
廃車:2010.5.17 森林公園
東上線の初期修繕車は終始東上線で活躍していました。この編成もその一つです。よく見ると、正面のステップの位置が8111Fと異なるのが分かります。
2007.8.-8 池袋
2009.12.16? 川越
8113F
新製:1964.3.-9 川越 日本車輌
6両化:1972.1.11 富士重工
冷房化:1977.2.26 アルナ工機
修繕:1989.3.31
廃車:2011.2.10 七光台
野田線のよくある初期車のひとつ。廃車前は側面の錆がひどかった編成のひとつです。廃車時には8163Fから発生したとみられる東上線幕を装填していました。
2007.12.16 鎌ケ谷
2011.2.-9 春日部 (最終運用)
2011.2.10 春日部 (廃車回送)
8114F
新製:1964.3.-9 川越 日本車輌
6両化:1972.6.27 富士重工
冷房化:1976.9.-1 津覇車輌
修繕:1988.8.-9
廃車:2008.10.-8 森林公園
恐らく数少ない野田線から転属した6両編成です。そして数少ない野田線外で廃車になった6両編成です。2003年10月の転属時に、この編成の入れ替わりに81109F+8558Fが野田線入りしましたが、2004年8月に8126F+8549Fと入れ替わりました。8558Fが8119Fと組んで野田線に帰ってくるのはそのあとの話。
8115F
新製:1964.3.-9 西新井 ナニワ工機 (8515Fは1965.10.10 日本車輌)
冷房化:1977.9.21 津覇車輌 (8515Fは1980.7.-2 津覇車輌)
修繕(6両化):1991.11.25
廃車:2008.3.22 七光台
この編成のみ、修繕まで4両編成でした。修繕時、末尾が同じ8515Fを中間車化改造をして組み込み6両編成になりました。当該部分はユニットサッシとなり、車両内で混在する数少ない編成でした。2007年に車両故障を起こし、2008年に東上線から回送されてい来た8504Fに牽引され廃車回送されていきました。
2007.1.21 東岩槻
2007.8.10 豊春
参考文献:丸目会 詳説8000総集編2022